縫い目の足跡
少し前の話になります。
叔母の一周忌があり、お墓の中の引っ越しがありました。
伯母さんの骨は家族のもとへ一緒になりました。
日本仏教の供養のやり方に基づいて一年経った今年の春先に
お骨を再び拾いました。
その時に布の袋に入れるから作って欲しい、と住職に言われ
久しぶりのチクチク縫い物をしました。
ずいぶん長く使って穴の開いた、けれど愛着のある麻のエプロンを使い
ましろな袋を縫いました。
伯母さんは弱かったけれど、刺繍が好きだったと後で知りました。
縫い物をする気持ちの余裕すら無くしていたその時の私に、あの世から
お土産が届いたのか。手を動かしているうちに気持ちが落ち着いてきた。
目はガタピシのとんちき縫い物
目はガタピシのとんちき縫い物
裏の目は布の波に溺れそうになったりしてて、表とは表情が違う
思いがけない、ぽちぽちした、小さな歩みの跡が好きで縫っては裏を見る。
見てまた表に帰る。
思いがけない、ぽちぽちした、小さな歩みの跡が好きで縫っては裏を見る。
見てまた表に帰る。
苦手なミシンもなんとか克服し、やっとこ大きな袋が出来上がった。
最後に赤い柄のリボンを付けて華やかになる。 おめかし骨袋。
その中に、乾いた骨のかけら沢山、ざぶーんと納めて新しいうちに
帰って行った。
どこへ帰るのかなー
いっしょがいいかな ひとりがいいかな よくわからない
でも私は密かに海がいいな、と思った。
あまり泳ぎが上手くない分、骨になって浮かびたいです。
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