2013年4月7日日曜日

縫い目の足跡


少し前の話になります。

叔母の一周忌があり、お墓の中の引っ越しがありました。
伯母さんの骨は家族のもとへ一緒になりました。

日本仏教の供養のやり方に基づいて一年経った今年の春先に
お骨を再び拾いました。

その時に布の袋に入れるから作って欲しい、と住職に言われ
久しぶりのチクチク縫い物をしました。

ずいぶん長く使って穴の開いた、けれど愛着のある麻のエプロンを使い
ましろな袋を縫いました。

伯母さんは弱かったけれど、刺繍が好きだったと後で知りました。

縫い物をする気持ちの余裕すら無くしていたその時の私に、あの世から
お土産が届いたのか。手を動かしているうちに気持ちが落ち着いてきた。

目はガタピシのとんちき縫い物
裏の目は布の波に溺れそうになったりしてて、表とは表情が違う
思いがけない、ぽちぽちした、小さな歩みの跡が好きで縫っては裏を見る。
見てまた表に帰る。

苦手なミシンもなんとか克服し、やっとこ大きな袋が出来上がった。
最後に赤い柄のリボンを付けて華やかになる。 おめかし骨袋。

その中に、乾いた骨のかけら沢山、ざぶーんと納めて新しいうちに
帰って行った。

どこへ帰るのかなー

いっしょがいいかな ひとりがいいかな よくわからない
でも私は密かに海がいいな、と思った。

あまり泳ぎが上手くない分、骨になって浮かびたいです。







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